カーネーション あらすじ 第63話

祖母・貞子が高級品である『大島紬(おおしまつむぎ)』の生地をモンペにしてしまったことに驚く糸子に対して貞子はクスっと笑って説明した。
「モンペみたいな辛気くさいモン程、上等な生地でこさえなあかんのや。辛気くさいんは寿命が縮まる。あんたも年とったらわかる」

貞子に言われた『辛気くさい』というキーワードにヒントを得た糸子は早速、善作とハルが寝ていた布団を干した。
糸子はそれまで灰色によどんでいたものが晴れわたったような気分になるのだった。

糸子は縫い子の昌子と妹・静子に着物をモンペにするアイディアを説明する。
「やっぱし女はオシャレができてこそ元気がでるもんや!」
昌子と静子は賛同するも『大事な着物をモンペにするのは勿体無い』と反論する。

小原洋装店は総出で『着物に戻せるモンペの作り方』を研究しはじめ、見事に完成させる。
糸子は新しく衣料を買うことが難しいご時勢なので教室としてモンペの作り方を客に教えるという方式を採用する。

小原洋装店が新しい事を始めたと人々は話題にするが5人しか教室に集まらなかった。
踊り子・サエを含む5人は皆、若く、オシャレ好きで負けん気の強い女性ばかりだった。

最初、互いに張り合い、いがみ合っていた5人だったがモンペ教室が終わる頃には意気投合していた。5人の女性は完成したモンペに満足し、そのまま街へくりだそう仲良く小原洋装店を後にする。

糸子と昌子は女性達の逞しさに感心するのだった。