カーネーション あらすじ 第62話

生まれた赤ん坊の世話、善作の火傷の世話など糸子は忙しく、朝寝ているのか夜なのかわからなくなるほど混乱する日々を送っていた。

善作の容態は、回復に向かっていた。
「ひゃんとはまへよ」火傷を負っている善作が千代に言った。
だが、おかゆを食べさせようとしていた千代は善作が何を言っているか聞き取れない。
「『ちゃんと冷ませ』って」糸子が善作の言った事を通訳した。
「あんたよう分かるなぁ!やっぱし娘やな!お母ちゃんなんか全然わからへんわ(笑)」
千代は感心して“お粥”を冷ますのを忘れて、善作の口にスプーンを運ぶ。
「はふい(熱い!)」善作は再び火傷しそうになってしまう。

悩み事が増えていた糸子にとって新年から始まった「衣料切符の引き上げ」による売上低下も頭を悩ませる事だった。
そんなある日、大日本婦人会・澤田が糸子に更なる倹約を言いに店を訪れた。
「ご商売柄仕方ない事ですが、買い物に来た人を戒め何も売らずに返すくらいの気概を見せて下さい!」

糸子は勝手な言い分に頭にきて声を荒げた。
「こないだ子供を産んだばっかしで…その前の日に火事があって、お父ちゃんが大火傷してガラスが割れて畳が水浸しになって、おばあちゃんが腰抜かして…おかげさんで家の中ガッタガタですわ!」

しかし澤田は糸子の罵声にも動じない。
「フッ、何事も因果応報。ご自分を見直す良い機会やないでしょうか?」
澤田が帰ったと思ってお手玉を玄関に投げつけると戻ってきた澤田に当たってしまう。

糸子は妹・光子と清子の料理を子守をしながら監督して、善作の包帯を取り替えて…生活が乱れていたある夜、祖父・松坂清三郎と祖母・貞子が見舞いにやってくる。
清三郎の励ましに善作は涙を流してしまう。

善作は自分の代わりに糸子の赤ん坊の名前をつけてくれと清三郎に願い求めた。
清三郎は遠慮するが貞子が「さとこ」はどうだろうかと提案し、清三郎は聡明の字をとって「聡子」にしようと言った。

子供の名前が聡子に決まり、縫い子達は清三郎たちが持ってきたカステラを食べ、皆が元気になったと感じた糸子。
清三郎たちが帰ろうとしたとき、糸子は貞子が履いていたモンペに気がついた。
「ええやろ?私の持っとう大島の中でも一番ええもんモンペにしたったんや」
糸子はモンペを凝視した。

============= 感想 ===========================

確かにバタバタと忙しそうな時って、時間がわけわからんようになるときってありますよね。絵の具が混ざって灰色になって…表現が素敵だな~って思いました。
貞子が着ていた大島紬は高級品ですが、なんでこの時代に高級品を着ているのか驚いたんでしょうかね?前に金糸一本でも販売駄目だったのに…。
それとも「ええなあ」っていう目で驚いていたんでしょうか。
明日に延ばす見せ方が上手(笑)