カーネーション あらすじ 第35話

ロイヤルの従業員達と馴染めず、昼休み外で昼食を食べていた糸子にテーラー職人の川本が話しかけてきた。
川本は踊り子・サエのイブニングドレスの仕事が上手く行けば、沢山の踊り子が糸子に頼む事になるだろうと助言する。
憂鬱になっていた糸子は川本の言葉でやる気を出すのだった。

ロイヤルから家での作業を許されたので早速、早退して自分の部屋で祖母・貞子に借りたドレスを解体する。初めてのドレス作りなので糸子は安い生地を使い解体したドレスを参考にしながら見本を作った。
見本を作る作業は深夜まで続いたが祖母・ハルが目をつぶってくれたため、その夜のうちに見本は出来上がった。

翌朝、糸子が目覚めると見本ドレスを着た母・千代が踊っていた。
神戸のお嬢様だった千代は糸子が作ったドレスの欠点を説明し、実際にダンスを披露して見せた。千代が昔、舞踏会に行っていた事を知り糸子は『灯台下暗し』と思った。
千代がイブニングドレスをどうやって作ってもらったかを思い出せなかったので糸子は神戸の祖母・貞子に電話で尋ねた。

何回も仮縫いを重ねることで体にフィットさせていくという手法を聞いた糸子は、何回も踊り子・サエと会わなくてはならないことを知り再び憂鬱になる。

ロイヤルで見本のドレスをサエに着せてみると彼女は大喜びする。
「ええやんこれ!このまんま売ってくれたらそれでええ!」
見本をそのまま購入したいと言い出したサエに糸子は、洋裁師として安物の生地を使った見本を売るわけにはいかないと説明する。
「あんたかて玄人の踊り子なんやろ?うちは玄人の洋裁師や」
糸子がサエを睨んだ。

「めでたいなあ。あんなとこで踊ってる踊り子がそんな立派な玄人なわけないやろ?男とくっついて適当に踊って金貰う…そんだけや」サエは嘲笑した。

「そんな女が着るドレスうちは作りたない…さっさと着替えて帰って」
糸子はサエに吐き捨てるように言うと部屋を出て行った。