カーネーション あらすじ 第33話 

洋服の料金を貰わなかった糸子に激怒した善作は、近所に配った『小原洋裁店』のチラシを全て回収し、店の前に張ってある広告も剥がしてしまう。
「お前が商売すんのは100年早い!もういっぺん、外に働きに行け!よその店で一から修行してこい!」と糸子を働きに出すのだった。

糸子は隣町の紳士服店“ロイヤル”で働き出す。
この時代、女性の洋服はまだまだ普及していなかったが、男性の洋装は世間に広まっておりロイヤルも繁盛していた。

糸子はロイヤルの店主が威張っていたのが気に食わなかったし、店主の下で働いている従業員達も気に入らなかった。
新入りで女性の職人である糸子に誰一人口を聞かないのだが、一人だけ糸子に愛想がいい店員がいた。この川本勝という青年と目をあうと川本は糸子に笑顔で微笑みかけるのだった。

そんなロイヤルでの仕事をこなし、ある日糸子が帰宅すると髪結い屋の安岡玉枝が家に来ていた。玉枝は息子・勘助が近頃、様子がおかしいと言い出す。
菓子屋で働いていた勘助は、『菓子屋の主人から給金がでなくなった』と家に金を入れなくなり、外出しては夜遅くに帰ってくるようになったと玉枝は説明した。
糸子は、すぐさま勘助の旧友・平助の勤め先である喫茶店に行き原因を突き止める。

― 夜、糸子はダンスホールで踊る女性・サエに見とれていた勘助を見つける。
勘助は糸子に謝るが『しゃあないねん!好きになってもうたんや』と居直る。
踊り子・サエが目当てで通っている勘助を糸子は連れ帰ろうとする。
しかし勘助が拒んだので糸子は勘助に襲い掛かる。

― 別室に連れて行かれた糸子と勘助はホールの支配人と話をすることに。
糸子の人間性(?)が気に入った支配人は働かないかと誘うが糸子は
「いや、うちはもう洋裁の職人やってますよって」と断わる。
隣で退屈そうに話を聞いていたサエはその台詞に反応する。

糸子は支配人と『勘助を店に入れない、踊り子と会わせない』約束を取り交わし、泣いている勘助を連れて帰る。
そこへ勘助の兄・泰蔵とバッタリ出会ってしまう。
「どないしたんや?」泰蔵は糸子に尋ねた。

「なんも聞かんといちゃって…そやけど一発殴っといちゃって」
糸子はそう言って自分の家に帰るのだった。