カーネーション 第9話 あらすじ

「呼び出したのは他でもないんや。実はウチの娘の縁談が急に決まったんや」
吉田屋に遅れてきた糸子の父・善作に源蔵は言った。
源蔵は娘の婚礼道具一式を揃えてくれるように善作に依頼すると同時に息子の結婚式の際は申し訳ない事をしたと謝った。
善作は思いがけない源蔵の心遣いに涙する。

― ある日、糸子が帰宅すると卵屋に行っていた静子から血相を変えて糸子に詰め寄った。
「姉ちゃん、パッチ屋で働いているってホンマ?」
「…誰に聞いた?」

「卵屋のおばちゃんや。変な噂が立つよって気つけやって言われた。
小原呉服店は娘働きに出さなあかんほどお金に困っているらしいって…」
「働いてへん。ちょっこと手伝っているだけや」
静子は父・善作にバレると怒られると忠告したが糸子は悪い事はしていないと突っぱねた。

糸子はそれからも桝谷パッチ店に行き、店を手伝っていた。
すると店主・桝谷幸吉から卒業したら桝谷パッチ店で働かないかと誘われる。
自分が女性である事を心配する糸子に桝谷幸吉はやる気があるなら関係ないと断言する。
糸子は、思いがけない幸吉の誘いを喜ぶのだった。

帰り道、糸子は安岡勘助の部屋に行き女学校を辞めてパッチ屋で働くことを伝えた。
勘助は自分も学校を辞めたいと言うので糸子は学校でいじめられてるのかと勘助に尋ねる。
しかし勘助はそんな事あるかい!と糸子に答える。

勘助の母・安岡玉枝(髪結い屋)に髪を結ってもらっていた吉田奈津は、髪を結い終えた後もしばらく勘助の家にいたので勘助は不思議に思った。
「今までおったん?」勘助が奈津に声をかけた。
「…おったら悪いか?」奈津は勘助を睨んだ。
「悪いことないけど…何してんの?」
「別に…アンタの兄ちゃん帰り遅いんけ?」
「なんで?」
「なんでって…なんででもええやろ?」
泰蔵が帰ってきてもが奈津は話しかけようとしなかったので勘助は奈津に尋ねた。
「兄ちゃんやで?」
「し!うるさい!…おばちゃん、そんなら失礼します。おおきに」
そう言って奈津は帰るのだった。

― ある日糸子の母の兄・正一が小原呉服店にやってくる。
正一は、祖父・松坂清三郎の仕事を手伝っていた。

正一が苦手な糸子の父・善作は正一が訪ねて来た事を知ると店の裏口から
こっそり出て行くのだった。