カーネーション 第7話 あらすじ

女学校では裁縫の授業は週に4回あったが
裁縫を趣味にしていた糸子にとっては退屈なものだった。

教師にアッパッパの作り方を質問しても相手にされず
課題をいち早く終える糸子はいつも教科書を読むはめになっていた。

糸子はアッパッパのスカート部分に三角の布をいれることにより、綺麗な形になるよう工夫したりしていた。
「できたー!ちょっと着てみ?」
糸子は妹の光子に完成した洋服を着せた。

「うわ~このアッパッパええな!」次女の静子が洋服を褒めた。
「ホンマやなんかちゃう」
三女の清子も光子の薄桃色の洋服に目を輝かせていた。
「せやろ?…三角や!」
糸子は自信に満ちた表情で妹達に三角の紙を見せた。
「ここに三角入れたや!そしたらこない“ふわぁ~”ってなんねん!」
糸子は光子の着ている洋服の裾についてのカラクリを説明した。
「ええな!ウチもこんなん欲しい!」
「ウチも!」
静子と清子が言った。
「よっしゃ!つくったろ!」
糸子は嬉しそうに言った。

糸子は学校の宿題やら授業で好きなだけ裁縫をする時間がなく
一日でも早く大人になって毎日好きなだけ裁縫したいと願うようになっていた。

小原呉服店は不景気の煽りを受けていた。
糸子の父・善作が得意な歌の教室を開いていたが
それが善作の思惑通りに着物の売行きに結びつかなかった。

ある日、糸子が学校から帰宅すると、いつものように善作から集金の使いを頼まれる。
糸子が地図を頼りに歩いていると、ある店の中の見たことも無い黒い機械(ミシン)が視界に入った。
その機械が何をするものなのか判らないが糸子は心を躍らせて店の中を覗いた。

やがて店の作業員が作業を始めるとミシンは物凄い勢いで布を縫いこんでいった。

“だんじり”や!!見つけてしもうた!
あれはウチが乗れる“だんじり”なんや!

糸子はすっかりミシンに心を奪われるのだった。