カーネーション 第5話 あらすじ

『なんで女に生まれてしもうたんやろ?』

父・善作に殴られた事で糸子は、女に生まれた事をつまらないと感じていた。
学校の授業中でも『女は男を助けるように努める』と繰り返し聞かされてウンザリ。

糸子は下校途中にだんじりが保管されている倉庫に忍び込んだ。
大工方を務める安岡泰蔵に見つかるが泰蔵は糸子にだんじりに乗る事を許可する。
だんじりの屋根に昇るが糸子の気は晴れなかった。

吉田屋に奈津の伯母がやってくる。
離縁すると泣き叫ぶ叔母の顔にはアザがあった。
叔母は奈津に結婚なんてしないほうがいいと忠告する。
「今日、習うととこや。女子は男子をよう助けて仲ようしたら家も富も栄えるって」
「仲良うできたらな…せやけど、そんな簡単に仲ようできひんもんやで?」
「なんで?」
奈津は煎餅を食べながら尋ねた。
「なんでって…なんでやろ…?」叔母は首をかしげた。

糸子は自分の部屋で横になって考えていた。
『なんで女に生まれてきたんやろ?
女は男より弱わてだんじりも引かれへん、やりたい仕事もなーんもでけへん。
女が大人になったら年がら年中家おって一日男に叱られて…それが済んだら台所でイワシばっかり炊くんや。嫌や~、しょうもなさ過ぎる…女なんかホンマ嫌や!
なんかオモロいこと考えよか?オモロくて楽しなってくるようなこと!』

そして糸子は3人の妹達にドレスの絵を描いてみせるのだった。
「ドレムって言うんやで!ホンマはもっと綺麗かったんやけどな…」
その時、神戸の祖母・松坂貞子から糸子宛に洋服が届いた。
糸子は突然のプレゼントに大はしゃぎをする。
「うわーい!ドレムや!ドレム!ドレム!!」
間違えて覚えた『ドレス』を持って糸子が部屋中を跳ねた。

しかし、サイズが合わず洋服は次女・静子が着る事になってしまう。
糸子は妹に譲る事になった洋服を眺めて思った。

『だんじりと一緒や…手に入りそうで入らへん!
ほんでもよう考えたら、一個だけだんじりとちゃうのんは…
女のウチにもいつかは手に入るかもしれへんちゅうところこです』

洋服を妹に譲り一度は不機嫌になった糸子だったが窓辺に干した洋服をみてニッコリと笑うのだった。