カーネーション 第3話 あらすじ

集金に応じようとしない料亭・吉田屋に対して糸子は強硬手段に出る。

金持ちそうな男性客二人が吉田屋に入ろうとすると二人は玄関脇で寂しそうにしゃがんでいる糸子を見つけた。
糸子は、吉田屋に集金に来たが払ってもらえない、手ぶらで帰ると晩御飯食べられないと男性客に泣き真似をしてみせた。
男性客達は糸子の演技にすっかり騙され吉田屋の店主・吉田克一を注意する。
克一は、糸子が商売の邪魔になるとお金を払うのだった。

糸子の父・善作は吉田屋から離れた橋のたもとで糸子を待っていた。
「お父ちゃん!払てもろたでー!」糸子は走りながら大声で伝えた。
「ホンマけ!?でかした!糸子!ようやったで!!」
糸子は走ってきた勢いそのままに善助に抱きついた。

「お前が男の子やったらどんだけオモロかったやろのぅ…」
と善作は糸子が男だったら商売を教え込んで成功したのにと残念がった。

「女かてできるで!女かて商売になれる!」糸子が言った。
「女はいいとこに嫁に行って婿さんにあんじょう仕える、それが一番じゃい!」
「なんでや!なんで女はそんなオモロないねん!」しかし善作は答えなかった。


― 大正14年(1925年)正月

糸子達三姉妹と母・千代は神戸にある千代の実家を訪れた。
千代の父・松坂清三郎は鉱山事業を手がける資産家で糸子達4姉妹は豪華なおせち料理をがっついて食べていた。

千代から金を貸して欲しいと言われた清三郎は不満そうに言った。
「なんでお前が借りに来るのや?金の事や。善作君がくるのが筋やろ?」
「どうも商売の方が忙しくて…」
「繁盛もしてないのにどない忙しいねん!そもそもお前とあの男との結婚なんぞ許した覚えはないんやぞ!」
清三郎は、駆け落ちのように娘を奪った善作に苛立った。

「駆け落ちって何?」糸子が食べながら不思議そうな顔で部屋に入って来た。
清三郎や千代の兄・正一は慌てて糸子を部屋から出し、正一の息子・勇に糸子の相手をするように伝えた。

糸子は勇に連れて行かれた部屋でドレスを着た人形に目を奪われる。
人形に感動していた糸子を勇は外へ連れ出し、外国人が大勢いるパーティ会場へ連れて行く。
糸子はダンスしている女性のドレス衣装に目が釘付けになった。
外国人たちに誘われ糸子と勇はダンスパーティで踊るのだった。