カーネーション あらすじ 第17話

昭和5年(1930年)糸子のパッチ屋修行も二年が経過した。

糸子は店の中では(新人が入らないため)一番の下っ端ではあったが、断裁から仕上げまでの作業を一通りできるようになっていた。

しかし糸子の作業は失敗が多く、目打ち(縫った目を解く道具)をよく使うので他の従業員からは“目打ちの小原”と呼ばれていた。

糸子は春から紡績工場で働いている幼なじみの安岡勘助を訪ねた。
職場に行くのが嫌になっていた勘助に糸子は活を入れるが勘助は逃げ出す。

その勘助の兄・泰蔵が結婚した相手・八重子は洋服やお洒落に詳しい女性で糸子は八重子と話すのが大好きになっていた。
「洋服を縫ったらええのに」
八重子に言われて糸子は自分が洋服を作るためにパッチを縫い始めたことを思い出した。

糸子は小さい頃に貰った洋服を引っ張りだして当時の事を思い返す。

<あない洋服作りたい思てたのに…昔はここからこない見てたらもっと嬉しかったのになぁ>洋服を窓に掛け糸子は眺めていた。

すると糸子は流行りの洋服に身を纏った同級生・吉田奈津を見つける。
自分より先に洋服に近づいた奈津を見て糸子は悔しがった。

糸子は洋服を作ることを決意するが洋服嫌いの父・善作が障害になっていることを思い出し気を落とす。

八重子にそのことを相談すると八重子は“善作に洋服を作ったら”と答える。
娘が縫ってくれたらきっと着てくれる。そして気に入ったら許してくれるだろうと八重子は糸子にアドバイスをするが糸子は善作は絶対に着ないと言い切る。

諦めている糸子に八重子は優しく言った。
「奈っちゃんが洋服を着て初めて商店街歩いてんのみてかっこ良かったやろ?
ウチら女が何でも初めての事しよう思うたらそら勇気いる。けどその分格好ええさかい!」

八重子に励まされた糸子は善作のための洋服を作る事を決心するのだった。