カーネーション あらすじ 第12話

近所に木之元電気屋ができ商店街は賑わっていた。

虚ろな目で道を行きかう人々を眺めていた糸子の父・善作に千代が薬を持ってきた。
「お薬を買うて来ました。お腹の虫くだすやつ。飲んで下さい」
善作は千代の言っている意味がわからなからず渡された薬を見た。
「…なんでこんなもん飲まなあかんねん」

岸和田の大地主・神宮司源蔵の屋敷に善作は仕入れる資金がないことを源蔵に謝った。
源蔵は事情を理解し、善作の店の心配をした。
「…辞めるんやったら早いうちやで?商売っちゅうのはいったんつまづいたらどん底まであっちゅうまや!」源蔵は身を乗り出して善作に言った。

糸子は偶然、幼なじみの安岡勘助が同級生二人に絡まれている場面を目撃する。
果敢に喧嘩を挑むが相手にならずアッサリ負けてしまい逆に勘助に助けられてしまう。

勘助に助けられた事にショックを受けていた糸子を祖母・ハルが慰める。
「ヘタレが強なったんや結構なこっちゃないか?」
「結構な事ない!知らん間に男だけが強うなっていきよって…ウチ、置いてけぼりや」
「アンタは女子や。女子は女子のやることがあらしな!裁縫したらええわし!」
「お父ちゃんがアカンちゅうた!アッパッパ縫うたらあかんって!」
「ほんなら他のもん縫うたら…」
「嫌や!!アッパッパが縫いたいんや!桝谷パッチ店で働きたいんや!
ミシンはウチのだんじりなんや!!」
「なんやウチのだんじりて?」
「ウチはだんじりにも乗られへん!ドレスも着られへん!…ミシンも使えんで…勘助まで負けてしもうたんや…もう終いや!うわーー!!」
糸子が大泣きしているのを父・善作は階段からじっと見つめるのだった。

翌朝、善作は糸子にだんじり祭が終わったら女学校を辞めて桝谷パッチ店で働いていいと言う。そして大喜びするに善作は繰り返し「勉強しに行くと思え!」と言うが糸子は嬉しさのあまり全くその意味について考えないでいた。

だんじり祭当日、だんじりの屋根に乗る泰蔵を見て糸子は興奮した。
『泰蔵兄ちゃん、あんな、ウチもウチのだんじり乗れる事になってん!』

『覚えてるか? …ミシンちゅうんやで』