カーネーション あらすじ 第11話

神戸から帰って来た糸子の母/千代を善作は出迎えた。
千代は千代の父・松坂清三郎から金を借りれなかった事を善作に伝えた。

「なんで貸さへんのや!」善作は千代に怒鳴った。
「父が言うにはこれまで貸した金かて一銭も返してもうてない…て」

善作は岸和田の大地主・神宮司源蔵の娘の婚礼道具を問屋から仕入れる資金さえあれば借金が返せると説明するが千代は実家の母から貰った髪飾りを嬉しそうに頭につけて上の空で聞いていた。

「のんきに笑っている場合か!子供らに飯食わされへんようになるんやど!?」
善作は千代から髪飾りを取り上げると窓の外へ投げてしまった。
「父が『善作君に来させなさい』言うてました」千代が半泣きで言った。

千代の父・清三郎は糸子びいきなので機嫌が少しでも良くなると千代に言われたので退屈そうにしていた糸子を善作は神戸の家に同行させる。
清三郎と貞子は、突然の孫の訪問を喜んだが、同行した善作には困惑するだけだった。

着物を仕入れる資金を借りに来た前作に清三郎は、金は貸せないとあっさり断る。
清三郎はなぜ金を貸せないと思うかを善作に尋ねた。

善作は、今まで借りた金を返した事がないことを挙げたが清三郎は笑った。
「ハハハ!!せやからお前は小物や言うんや」
清三郎は呉服屋という商売が先細りであり、善作の店のような小さな呉服屋は5年と生き残れないと考えを述べた。
そして就職先を世話すること、また娘と孫は清三郎が引き取る考えを善作に伝えた。

その頃、糸子は別の部屋で従兄弟の勇、その友人・坂崎とバームクーヘンを食べていた。

清三郎の回答にショックを受けた善作は、力を落とす。
帰りの汽車で糸子が『パッチで働きたい!』と言っても
小さく「…あほか」と答えるだけだった。

善作は、だんじりの屋根乗りの泰蔵と共にだんじりを見上げていた。
大きなだんじりを見ながら善作は小さい頃、大工方に憧れていた事を思い出す。
「ワシの場合、根性が足らんかったのう…へっへへへ」善作は力なく笑った。

千代達が夜遅くに祭りから帰って来ると善作はすでに横になっていた。
約束の時間を守らなかった事を千代は詫びたが善作は何も言わない。

善作の調子がおかしいと千代達は心配をするのだった。