カーネーション 第1話 あらすじ

- 大正13年(1924年)9月
大阪府岸和田市にある呉服店の4姉妹の長女・小原糸子はだんじりの屋根に乗る大工方に憧れる元気な少女。

糸子は、近所に住む若い大工方・安岡泰蔵がだんじりの屋根に乗っている姿を見て将来だんじりに乗る大工方になることを決意する。
大工方はだんじりの屋根の上で合図を出す最もかっこ良く最も危ない役だった。

夜になり、子供達はだんじりをひく中で糸子はだんじりを見上げた。
「かっこえぇなぁ…ウチも大きくなったら絶対大工方になったるでぇ!」
「あほか。女は大方に乗れるか!」
一緒に歩いていた泰蔵の弟・勘助が言ったので糸子は勘助のほっぺをつねった。

だんじりが終わると糸子は普通の小学生に戻るのだった。
糸子はいつものように勘助達を朝から追いまわしてした。
すると向こうからだんじりの屋根に乗っていた泰蔵が走ってきた。
「泰蔵兄ちゃん、おはようさん!」
糸子は道ですれ違った泰蔵に挨拶をした。
「おぅ!」
仕事中の泰蔵は糸子に短く挨拶するとそのまま走り去っていった。

『なっちゃるでー大工方に!』

糸子は走り去る泰蔵の背中を見て強く決意した。

糸子の頭の中は着物より勉強よりだんじりのことでいっぱいだった。