NHK朝ドラマ おひさま 132話あらすじ&感想

【おひさま 第132話(9月3日放送) あらすじ】

「丸庵…無くなってしまったのですか?」房子(斉藤由貴)が陽子(若尾文子)に尋ねた。
「全部ではなかったけども。住む所が無くなってしまったの。
戦争でも無くならなかったのに…思いがけない事ってあるもんねぇ」
陽子は口元を緩ませながら房子に話したが陽子の話の無いように房子はショックをうけ呆然とした表情で「そうですよねぇ…」と応えるのがやっとだった。

― 昭和25年、火事から逃れた丸山家(陽子、和成、徳子、道夫、日向子、杏子)と節子は、翌日、須藤家に身を寄せていた。
一同は須藤家の居間に集まっていたが重々しい空気が流れていた。
「申し訳ありません。皆で押し掛けてしまって」和成が良一に頭を下げた。
「なにいってるんだ…和成君」良一は和成が遠慮した事を注意した。
「そうだよ。当たり前だ」隣座っていた茂樹も言った。
「すみません」和成が謝ると陽子も同じように良一に頭を下げた。
「うちみたいな他人まで…本当に申し訳ありません」節子が申し訳なさそうに良一に言ったが良一は笑って応えた。
「よして下さい。やめましょうそういうのは、ね?」
良一の言葉に道夫は頭を下げたが、ふと隣にいた徳子に目をやると徳子は呆然として、一連のやりとりを聞いていない様子だった。

「じゃあ、男達は松本に行きましょうか?」良一はそう言って立ち上がった。
「節子おばちゃん…探してほしいものはある?」和成は気落ちしている節子に尋ねた。
「いや…判らないから…カズちゃんに任せるわ」
「じゃあ、いきましょうか?」茂樹が言いリアカーを準備した。
玄関先で茂樹、良一、道夫、和成がリアカーで松本に向かおうと出発するとき、道夫が陽子に笑顔で言った。
「陽子ちゃん、母さんの事頼むな」
「はい」陽子は頷いた。
「たぶん腹ぺこで帰って来る。夜は皆で美味いもん食いたいね」和成も声をかけた。
「フフ。はい、任せて下さい」陽子は笑顔で応えた。
「楽しみだねぇ。いいよねぇ、賑やかなのは」茂樹が言った。
「いつも茂樹と二人だからなぁ…見飽きたしたな茂樹の顔も」良一が笑った。

4人が松本へリアカーをひいて出発したとき、タケオが勢いよく走って来た。
「待ってくれ!!オラも行く!!!」
そしてタケオは、思いっきり転んでしまう。良一たちに心配されながらもタケオも松本に行く事になった。

徳子は心ここに在らずといった様子で窓の外を見ていた。節子は心配するけど声をかけられない。杏子は日向子をつれて遊びに外へでかけた。
「いい家だね…な?徳子ちゃん、いい家だよね?」節子は縁側で呆けてる徳子に声をかけた。
「…え?…うん…大丈夫だよ。私は。何言ってんだよ」徳子は力なく笑った。
「そっか…」節子は、力を落とし別の部屋(トイレ?)に移動した。部屋は陽子と徳子の二人だけになった。
陽子は縁側の徳子の隣に座ったが、二人はしばらく無言のまま外を見ていた。しばらくすると徳子が笑い出した。
「どうしました?」ひざをたたいて面白がっている徳子に陽子は尋ねた。
「まったく…いやになっちまうね…フフフ…ね?」
陽子はコクリと小さく頷いた。

「あんた…大丈夫かい?陽子…」徳子は疲れた様子で質問した。
「お義母さんが、いてくれるから」陽子が笑顔で言って徳子の手を握った。
「そっか。フフフ…無くなっちまったよ…丸庵…無くなっちまった…」
陽子は今度は両手で徳子の手を握った。
「無くなっちまった…あぁ…ああああ」徳子は泣き出してしまう。
隣の部屋(?)で聞いてた節子も涙を流す。
「大丈夫ですよ!」陽子は徳子をぎゅっと抱きしめ、肩をポンポンとやさしく叩いた。

「大丈夫!大丈夫!大丈夫!私達は、これからもっと幸せになるんですから!
絶対になるんですから!私がしてみせます!!
こんなことで負けませんよ!私達は!こういう思いをしたんですからその分、絶対もっと幸せになりましょう!何倍も幸せになってやりましょう!
前よりも、もっと立派な丸庵を作りましょ?ね?お義母さん?作りますからね!
フフフフ、メソメソしていると全部私が勝手に決めちゃいますよ?
後で文句を言ってもしりませんからね?知りませんよ?
しっかりしなさい!ほれ!!丸山徳子!!」陽子は徳子の尻をパシッと叩いた。

「うるさい!」叩かれて驚いた徳子は今度は陽子の額をパシッと打った。
「痛い!」陽子は思わずおでこを抑えた。
「フフフ、あんたの好きになんかさせないよ!」徳子が笑った。
「なんだ。つまんないの…」陽子は口を尖らせた。
「何がだい?」
「もっとメソメソしててくれればよかったのに…可愛かった~弱っくて(笑)
あーあー、短かった!」陽子が残念がるように言った。

「生意気言って!!(笑)」
「なんですか!!ほらほらメソメソしてくださいね!可愛かったぁ徳子ちゃん?」
「なんだって!!こら待ちなさい!!!陽子!!」
二人は、家の中でドタドタドタっと追いかけっこを始めてしまう。
「こんにちわ」タケオの母と嫁のミツが野菜を持って中庭に訪ねて来たが陽子と徳子はそれどころではなく追いかけっこをしている。
「ミッちゃん!陽子捕まえて!!待て!陽子!(笑)」
「いやなこったーベロベロ」

陽子『この時思ったの!ピンチはチャンスなんだって。失ったぶんだけ夢に近づくチャンスなんだって。そう思ったの』

「日向子もやるー!」杏子と遊びから帰ってきた日向子も参加した。
「鬼はねぇ…おばあちゃんだよ!」陽子は日向子に説明した。徳子は笑いながらジリジリと日向子に近づいた。
「鬼だよぉ~まてまてー!!…捕まえたー!!!」
陽子も徳子も節子もそこにいた全員が笑顔になっていた。


【おひさま 第132話(9月3日放送) 感想・レビュー】

今日のタケオの扱いが昔のような感じで…なんていうか(笑)
まあ、タケオは大事な笑い要員ですからね。来週は、いよいよ“絵本のような洋館”を第二の丸庵にする計画に向かって動き出しそうです。あと茂樹&育子に進展がありそう。

それと陽子の徳子を励ます励まし方が今回の震災で被害にあわれた方へ向けたメッセージのようにも聞こえました。
『こんなことで負けませんよ!私達は!こういう思いをしたんですから!
その分、絶対!もっと幸せになりましょう!何倍も幸せになってやりましょう!』
心に響いたセリフでした。