おひさま 第154話 「すべての母より」あらすじ&感想

【おひさま 第154話(9月29日放送) あらすじ】

「…つまんねーだよ。なーにもする事なくてよ…
自分で商売しているときは何もなくったって、つまんねーとは思わなかったんだよ。
周りの人達はみんないい人ばっかりよ?勤め人もな…お固い人達ばっかりでよ。
…そんな人達と何を喋ったらいいんだい?」節子は不満そうに言った。
「そんで家出して来たのかい?」徳子は驚いて尋ねた。
「違うよ。ちゃんと徳子ちゃんのところに行って来るよって行って来たよ?」

「そんじゃ素直にくればいいじゃない?」
「だって…あんな素敵な別れ方したじゃん?」
「バカじゃないの?いい歳して。往生際が悪いんだよ?」
「アンタ、年寄りに向かって往生際が悪いとか言っちゃダメ!」
「どんどん来りゃーいいじゃんか!ここに!普段遠慮とかしないくせに!」
「でもさ、こういうのが本当の遠慮っていうんじゃないの?なあ?」
節子は隣に座って話を聞いてた和成に同意を求めた。

「悪いけど2人でやってくれや…これ以上付き合うのはバカらしいから部屋に戻ろう」
和成と陽子は笑って節子と徳子を見た。
「こういう話がしたかったんですよね?」陽子がクスクスと笑いながら節子に言った。
「…なんなんだよ!このうちは毎日来ちゃうよ!」

― 夜、百白花のテラスで月見をしている陽子、和成、徳子と節子。
そこに畑から帰ってきた道夫も月見に参加する。
和成は朝から晩遅くまで畑にいる道夫に呆れたが道夫は幸せそうに語りだす。

「一人で畑に座っていたら色々思い出しちまったぜ。丸庵に来た時とかさ。
17歳の時に丸庵に住み込みで働く事になったんだけど、初めは松本なんて都会に来たのは初めてだったから…心細くて毎日泣いていてよ。
親父さんがおっかなくて…俺はもともと手先の方でないで苦労したよ。
一日中怒鳴られっぱなし…田舎に帰りたいといつも思っていた。
その時、特上の蕎麦が手に入ってよ。一人前もなかったかな…それを俺に食えって。
“これから丸庵を背負って立つのはお前だ。だで本当の味をおめえの舌に覚えさせてー”だと。…俺もう震えちまって…その蕎麦が美味いのなんのって!
美味いのと嬉しいのとで訳わかんなくなっちまって…ポロポロ泣いちまったよ。
その日からだよ。本気で命掛けてがんばろうって決心したのはな…
俺は三男坊だで、畑継ぐのは許されなかったけど一国一城の主になるぞって…
それが不思議な巡り合わせでこうやって自分の蕎麦畑をもってるだでな」

「畑が好きなんだね?」幸せそうに話す父に和成は質問した。
「忘れていたけど、やっぱり好きなんだなぁ」道夫が言った。
「あれ?お母さんとは?」陽子がニヤニヤしながら尋ねた。
「俺、頑張ったんだけど、へこたれる日もあるでね。
その頃は兄ちゃんと妹みたいにしていたんだけど…俺にしては丸庵の一人娘さんだ。
眩しいというか…きらきらきら可愛くてさー(笑)」
道夫が照れくさそうに言うと徳子がふざけて見せた。

「そんでなへこたれて裏でしょんぼりしていたら
“知ってる?私、道夫さんのお嫁さんになるつもりなの。だからがんばってね”
俺はこし抜かしちまったよ」
「そりゃーがんばるわよね?そんな事言われたら?」徳子が笑った。
「幸せだなー俺は。本当には畑みてそう思ったよ」道夫は幸せそうに言った。
そして節子は月見をした次の日、再び浜松へ帰っていった。

― 良一の様子を見に来た陽子に良一は近く東京に行く事を伝えた。
「…やり残した事があってな。
私と母さんは駆け落ち同然で結婚したが後悔なんてしていない。
が、お祖母様とお祖父様の人生を狂わせてしまったのも事実だ。
後悔はしていないが申し訳ない思いはある。
お祖父様のお墓に参ってちゃんと謝ってこようと思う。お祖母様にも一度きちんとお話しておきたい…どこか避けてきたところがあってな。だからこちらから出向くのが礼儀だ。
そして提案してみようかと思ってる…
安曇野には茂樹もいる、お前も近くにいるしひ孫もいる。一緒に暮らしませんかとな」

「え!?」陽子は良一の提案に驚いた。
「断られるとは思うがな。それでも提案してみようかと思う」
陽子は嬉しそうに頷いた。
その週末に良一は東京へ行き美味しいフランス料理を食べたが…案の定、良一の提案は断られるのだった。

― 夕方、日向子は夕飯の準備をしている陽子の手伝いをしていた。
しかし、手伝いの最中に日向子は誤って煮立っている鍋をひっくり返してしまう。
陽子は台所から鍋が落ちる音と日向子の泣き声に驚くのだった。


【おひさま 第154話(9月29日放送) 感想・レビュー】

良一がお婆さまに提案する箇所は残念ながら陽子の『語り』だけという寂しい結果になってしまい、結局お婆さまも出演されず…もう出てこないのかな?
その良一がよくなったのに、今度は日向子が…火傷をしたのかは明日まで判りません。
それにしてもよく手伝ってくれる3歳児です。
オーダーから夕食の支度まで…私が三歳の頃はどうだったんでしょうか(笑)
とにかく大したケガがなければ良いのですが、ちょっと不注意すぎたようです。
さて、今日のメインは浜松からやってきた節子と思いきや『道夫』でした。
丸庵での修行の日々から徳子との事までが語られます。
それにしても…月見団子が物凄く美味しそうに見えませんでした?あんな風にピラミッド状の団子を食べてみたいです(笑)