おひさま 第153話 「すべての母より」あらすじ&感想

【おひさま 第153話(9月28日放送) あらすじ】

(前回のつづきから)
「そんな顔をしなくていい。私も同じだ…そういう年齢なんだな、いつかお前達と別れる時が来るんだな、そう思った…今回はお母さんと春樹に早すぎるって追い返されたけどな。春樹にちゃんと言ってやれなかったことがあってな。
いい機会だからお前達に言っておこうと思う。ま、遺言みたいなもんだな」

茂樹と陽子が聞きたくないようなそぶりをしたが良一は続けた。

「茂樹、陽子…私はお前達の事が自分の子供としてだけではなく人として大好きだ。
尊敬している。それだけだ。すまんな…財産の事とかではなくて」
そういうと良一は笑ってみせた。

「ありがとうございます」陽子と茂樹は良一に頭を下げた。
「照れるな。やっぱりな…」良一は照れくさそうにするが目から涙が溢れそうだった。

― 昭和25年秋になり、ますます百白花は客で賑わっていた。
父、道夫は朝からそば畑に行ったままで和成と徳子は注文に追われていた。
幼い日向子が手伝っていると店の外から店内の様子を伺っている宮澤節子を発見した。
しかし節子はそのまま店に入らず帰っていた。
忙しさピークが過ぎた時間(休憩?)に日向子は節子が居た事を和成達に言うが相手にされなかった。

徳子や陽子、和成は絵の勉強に松本まで通っている杏子の帰り時間が遅い事を心配していた。しかし陽子は杏子がこの頃、何を悩んでいたのかに気づいてやれないでいた。

― そんなある日、百白花に松本の警察署から電話がかかってきた。
陽子は隣に居た徳子に電話の内容を説明した。

「杏子ちゃんが松本で警察に保護されたそうです。駅前の道ばたで似顔絵描きの仕事をしていたそうです。絵の勉強が終わった後で子供がそんな事をしていたのでお巡りさんが職務質問をしようとしたら逃げようとしたので保護したそうです。
あ、で、たまたまそのとき節子さんが通りかかって警察に一緒に行って身元を引き受けてくれたそうです。これからつれて帰って来るって」

しばらくすると節子と一緒に杏子が帰ってきた。
「あんまり叱らないでやってね」隣に付き添っていた節子が陽子達に言った。
「…ごめんなさい!!!」杏子は泣きそうになりながらも力いっぱい頭を下げた。

「怪我とかしてないのね?」陽子は優しく尋ねた。
こくりと杏子は小さくうなづいた。
「2人で話そうか?」そう言って陽子は杏子と店のテラスに連れて行く。
「あたし、やっかいにばっかりなって…この家にいられるだけでもありがたいのに絵の勉強もさせてもらって。お金だってかかるのに…
だから少しでも何かできないかなって…そしたら、あたしにできることって、それくらいかなって。…ごめんなさい、陽子先生」杏子は涙を流して謝った。

「そっか…そうよね。私がアナタでもそうしたかもしれない…
難しいよね…無理があるものね…親だと思え、娘だと思ってるって言ってもね…
あなたは私の娘ではないし、あなたのお母さんは私ではない。
いいんじゃない?無理に親子とか言わなくても思わなくても…いいと思う。
それでも、私達とあなたは一緒にいる、一緒に暮らす。
それはなぜか?あなたが好きだから。あなたといると楽しいから。
だから一緒に暮らす。あなたにとってもそうであるならね…どうかな?」
陽子は杏子に微笑んで言った。
「はい!」杏子は陽子の言葉に嬉しくて涙を浮かべた。

「うん。そんじゃそうしよう!泣かないもう。あ、儲かったの?お金」陽子が尋ねた。
「ほんの少しは…」杏子は少し笑った。
「本当はいけないけど。杏子ちゃんは自分の絵で稼いだお金だもんね…半分、家に入れなさい。半分は自分の為に使いなさい。だけど、もう道ばたで商売なんてダメよ?」
「はい!」
「だから…うん、こうしよう!」陽子は何かを思いついた。

百白花には杏子が描いた陽子達丸山家の似顔が張られた。
杏子は道端ではなく百白花で1枚60円でお客さんの似顔絵を描くことになったのだ。

「いい店だしな…商売繁盛しているしよ?よかったね杏子ちゃん」
節子が杏子の張り出した似顔絵を見ながら言った。

「そういえばお姉ちゃん、なんで松本にいたの?」徳子は節子に尋ねた。


【おひさま 第153話(9月28日放送) 感想・レビュー】

こういう事を書くと嫌な気分になる人もいるかもしれませんが…杏子の張り紙、いい案だと思いますよ。ええ思いますとも。
ただ、リアルすぎて『指名手配』のモンタージュに見えたりしませんか?
もう少し、ポップな感じのほうがいいと思うんですが…(笑)

良一の遺言らしきセリフが始まったときは『いよいよおひさまも“まとめ”に入ったか』としみじみ思ったのですが、杏子ちゃんが補導されたあたりでは『あれ?あと3ヶ月くらい続くのか?』等と思ったりする不思議な回でした。
私が『おひさま』で気に入っているところは陽子の言う事が、嘘くさくないところです。「儲かったの?」って興味ありげに聞くところ等はとても人間らしくて好きです。
さて、節子さん、一体どうしたのでしょうか。
はるばる浜松から?