昭和23年12月、糸子は周防の店を隣町に開店する準備していた。
『テーラー周防』と看板がつけられた店の内装をチェックした糸子は店に帰り周防に報告する。
糸子の店は繁盛していて、昌子や松田は糸子に対して異論を唱えなくなっていた。
―昭和23年12月30日、糸子は完成した店に周防を連れて行く。
意気揚々と店の内装などについて周防に説明する糸子だったが、自分が周防の夢を叶えたのではなく、奪ってしまった事に気がつく。
「自分やのうて、女の金で看板上げてもうたかて何も嬉しないわな…」
「いーや…ありがとう糸子さん」
落ち込む糸子に周防は笑顔で礼を言った。
その日、糸子は生まれて初めて無断外泊をする。
翌日、糸子は周防に店を月賦で払うように契約をして2人は別れるのだった。